TOPへTOPへ

ブログ

黒い点や虫が飛んでいるように見えるのは病気?受診した方が良い?

「黒い点が見えてうっとうしく感じる」

「虫のようなものが見えるが、眼は大丈夫なのか?」

など、実際には虫などは飛んでいないのに虫が飛んでいるように見えたり、視界の中に黒い点があるように見える症状にお困りの方がいらっしゃいます。

これらの症状を飛蚊症と言います。

眼科を受診した方が良いか心配な方が多いと思いますので、結論から先に申し上げますと、気になった段階で一度は眼科を受診されることをお勧めします。

多くの場合、加齢などで増えてくるものなので治療は必要ありませんが、時々、網膜裂孔や網膜剥離、眼底出血など他の病気が原因となっていることがありますので、眼科医としては受診をした方が良いと考えています。

 

特に、急に黒い点が増えた、範囲が広がっている、など症状の急な変化を伴う場合は、何等かの疾患が隠れていることがあるため、できるだけ早期に受診した方が良いでしょう。

 

 

■飛蚊症で受診する際のポイント

 

飛蚊症の診察をする場合、他の病気が隠れていないか、眼の奥を確認するため、瞳孔を開く点眼を使用した検査(散瞳検査)を行います。

この点眼を使用すると、点眼後4~5時間は薬の効果が残るため、まぶしく感じたり、見えづらくなるので、検査をした日は車やバイクの運転ができなくなります。

 

ご自身で運転して受診された場合、散瞳検査ができませんので、改めて受診していただくこととなります。

飛蚊症が気になる場合は、ご家族に送迎してもらうなど、自分で運転しなくて良い状態で来院されるとその日のうちに散瞳検査が可能です。

 

 

■飛蚊症で受診したけれども医師に気にしなくて良いと言われたんだけど…

 

飛蚊症が取れないことに落胆される方が多くいらっしゃいます。

その時によくご説明するのが、飛蚊症は皮膚のシミと同じようなものとお話ししています。シミは加齢とともに徐々に増えていきうっとうしいですが、病気ではないため治療対象にはなりません。飛蚊症も目の中の濁りですので、悪さをするわけではないが、チラチラ見えて気になるというものです。出現当初はとても気になるかと思いますが、数ヶ月経つと飛蚊症が見えることに慣れて気にならなくなる方がほとんどです。手術で濁りを取ることは技術的には可能ですが、手術にはリスクが伴いますので通常はまず行いませんので様子を見て下さい。

 

 

黒い点や虫のようなものが見えるのは、分かりやすく言うと、眼の加齢と考えていただくと良いでしょう。医学的に説明しますと、眼の中を満たしている硝子体というゼリー状の組織が、加齢によって変性する過程で濁りができ、その影が見えている状態です。加齢によるものですので、治療する必要はありませんが、自然に消えることもないため一度出現した飛蚊症はそのままあり続けます。

 

 

治療の必要が無いと判断された方でも、黒い点や虫のようなものが急に増えたり、範囲が広がったりなど、見え方に急激な変化があった場合は、それまでになかった病気が発生している可能性が考えられますので、

「見え方に急な変化があった場合は早めに眼科を受診した方が良い」

ということを覚えておいてください。