白内障手術のレンズは単焦点?多焦点?どちらが良い?
白内障手術を検討している患者さんから
「白内障手術で使うレンズは単焦点と多焦点どちらが良いですか?」
「費用がかかる分、多焦点の方が良いんですか?」
など、レンズの選択についてご質問を頂戴することがあります。
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結論から言いますと、単焦点レンズと多焦点レンズはどちらかが優れている、ということはありません。それぞれのレンズで特徴が異なるため、手術後にどのような生活を送りたいか、で適したレンズが決まります。
例えば、できるだけメガネをかけずに生活したい、というニーズであれば、多焦点レンズが適していますし、写真撮影が趣味だから、できるだけ遠くの見え方にこだわりたい、という方は単焦点レンズが適しています。
「多焦点レンズ」は、「遠くも近くも良く見えるレンズ」と紹介されることが多いのですが、全ての距離で100点の見え方をする、というわけではありません。 患者さんによって感じ方は異なりますが、様々な距離で80~90点の見え方が手に入る、と考えていただくと近いかもしれません。
多焦点レンズは、複数の距離に焦点が合うように設計されているため、1か所の鮮明さでは、どうしても単焦点レンズに少し劣ります。 また、レンズの構造上、夜間の光のにじみ(ハロー・グレア)が生じる可能性があります。 ですから、以下のような方は単焦点レンズの方が適していると考えられます。
・時計職人のような精密な作業を必要とする方
・美術関係や写真家のような高いコントラスト感度を必要とする方
・夜間の運転が多い方や職業ドライバーの方
他にも、乱視が強い方や、他に眼の病気がある方も多焦点レンズの効果を十分に得られない可能性があるため、慎重に検討した方が良いでしょう。 このような方以外で、日常生活を快適に過ごしたい、とお考えの方は多焦点レンズが適していると思いますので、多焦点レンズの使用をご検討いただくと良いと思います。
年々、新しいレンズが開発され、レンズ選択に迷っている方もいらっしゃると思います。当院では、単焦点レンズも多焦点レンズも扱っており、その方に合った最適なレンズを提案しています。
レンズ選択に迷う、自分に合うのは単焦点か多焦点かわからない、専門家に決めて欲しい、などございましたらお気軽にご相談ください。