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白内障って点眼で治るの?

 

「白内障の治療として点眼を使用していれば良いの?」
「白内障用の点眼薬を使用すればよく見えるようになるの?」
など、白内障の点眼治療について疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、今回は白内障の点眼治療について眼科専門医の立場から解説したいと思います。

 

■点眼でよく見えるようになるの?
結論から言いますと、点眼治療ではよく見えるようになりません。
白内障で低下した見え方を改善するためには手術が必要です。

白内障の点眼は進行を遅くする効果が期待できるのですが、一度濁った水晶体の濁りを取る効果はありません。時々、点眼を使用していればいつか見え方が良くなると勘違いしている患者さんがいらっしゃるのですが、残念ながらその効果は期待できません。

医学的には、白内障を引き起こすとされているキノイド物質が水溶性タンパク質と結合することを阻害することで症状の進行を抑制する作用を持つ点眼や、抗酸化作用を持ち、タンパク質の酸化を防ぐことで進行を抑制する効果を持つ点眼が処方されます。

点眼を使用したからといって、症状の進行が完全に止まることは無く、定期的に目の状態を観察する必要があります。
見え方が低下した状態で日常生活に不便を感じるようになった段階で手術を受けると良いでしょう。

 

■眼鏡を使用したらよく見えるようになる?
同じような勘違いに眼鏡を使用すればよく見えるようになる、という誤解もあります。
水晶体という眼球の中にある組織が濁って見えづらくなっているので、いくら眼鏡を使用してもよく見えるようにはなりません。
免許更新の前に眼鏡合わせのために眼科を受診される方がいらっしゃいますが、白内障が原因の場合、眼鏡の度数を変更しても視力は改善せず、場合によっては運転免許証が更新できなくなります。

 

白内障と診断されたことがある方は、事前に手術の予約を取っておき、直前になって焦らなくて良いようにしましょう。